小説家・作曲家・音楽研究家として戦前を生きた男
岩波新書は1938年に創刊された その最初の企画の中に千秋の「ベートーヴェン」も肩をならべている
戦時下で資料の少ない中、評伝執筆には想像を超える困難を伴ったが むしろその産物として千秋独特の芸術観を秘めるに至った
作中の「第九交響曲」と題する章は国語教科書(三省堂 高校向)に 昭和20年代後半から数年間収録された
小説「火渦」は第十四回芥川賞候補作に挙げられた(「腕」は参考作品)
二つの小説はいずれも関東大震災を題材としている
https://prizesworld.com/akutagawa/kogun/kogun14MK.htm(参考サイト)
※ペンネームは「水原吉郎」となっている。その他にも多数の名前を持っていたようであるが、全容は未だわかっていない。
卒業してすぐの助手時代にもエッセイや紀行文を発表している
その後、小山書店において編集や執筆に携わった
小説のほかに音楽評論を発表し、評論家としてラジオ出演もしている
五十年忌を機会として遺族が持たないエッセイや短編のコピーが寄せられた
その中には詩作品も含まれていた